「なんで、深奈子まで連れて行くんだ?咲羅のことを知っているのか?」

「うん。だって、咲羅は深奈子と見つけたお店だし、訳あって今は深奈子の知り合いが店主の1人をやっているんだよ。
だから、情報も一番早い。あの本が売れやすいとか、あの作家さんが今大注目だとか、彼女が言いはずしたものはないよ」

「そうなのか・・・おれ、ちょっと外で体冷やしてくるよ」

「え?なんで、体なんか冷やすの?逆によくないと思うんだけど…」

「そんなのは俺の勝手だろ?じゃあな、紗耶香。俺が帰ってくるまでに深奈子を呼んで待ってろ。
俺が帰ってくるまで絶対に咲羅図書に行くなよ?」