「え?ううん。仕事の関係で出張とかもあるし、朝来ても、いつも花供えてあって、線香から煙も上がってるから通勤通学前に瑠稀ちゃんかお母さんが来てるのかなって。それか先々月みたいにお父さんか」


違った?と首を傾げる。


「……ううん、違くない。ありがとう。じゃあ、またね」


「うん。バイバイ」


ミユちゃんと別れてその足で事務所に向かう。


ドアを開けるとまず学が振り向く。


「あ、瑠稀ちゃん」


ルークはいつも通り資料から顔を上げてすぐに目を落とす。


それから潤佳ちゃんと莉央さんが声をかけてくれる。


ちなみに、莉央さんは憑き物が落ちたような顔で大阪から戻ってきた。


詳しくは聞いていないが、『色々ごめんね。でももう大丈夫だから』と言っていたから上手く行ったのだろう。