翌月8日
花束を持ってお姉ちゃんのお墓の前に立つ。
お墓には、いつもと同じようにきれいな花が供えてある。
多分、お姉ちゃんの友達だ。
墓前に持ってきた花束を供え、線香をあげる。
目を閉じ、気の済むまでお姉ちゃんに色々と報告をしてから立ち上がる。
入口まで戻ったところで、見知った顔に会う。
「あ、瑠稀ちゃん」
声をかけてきたのは、お姉ちゃんの幼稚園の頃からの親友だ。
小さい頃、あたしもよく遊んでもらった。
最後に会ったのは、秋彼岸ここに来た時か。
「お久しぶりですー。忘れ物?何も無かったとおも……」
いつも早く来て花を供えてくれていたのは彼女だと思っていたからそう言いかけたが、彼女の手を見て口を閉ざす。