「お父さんにって……」


「仲直り、とまではいかないかもしれないけど、普通に話をするくらいにはなって戻ってくるかもって言ってた」


「……仲直り、ねぇ」


莉央さんのお父さんに言われた言葉を思い出す。


『それは、君に会うためやないのか?』


黙っていると、潤佳ちゃんが大丈夫?と声をかけてきた。


「うん?なんでもないよ。お茶淹れるね」


笑顔を作り、テーブルの上の空のカップを持ってキッチンに向かった。