「莉央、すっげぇ怖かった……。怒ってるんだけど、冷静に追い詰めてて、それがもう……」
それを思い出したのか、学はぶるりと体を震わせる。
「そんなに?」
と今度はこちらを見る。
「……ああ。普段の莉央からは全く想像つかない」
「めちゃくちゃ気になる……」
「聞かない方がいいこともあるよ」
学が言ったところで、タオルで頭を拭きながら莉央がリビングに入ってきた。
「シャワー、ありがとう」
「……イエ」
瑠稀の微妙な返事と目に、どうかした?と莉央は首を傾げる。
なんでもない!と学が慌てて首を振り、シャワー借りるね!とリビングを出ていった。