腕を掴まれた男は見知らぬ男の手を振り払い言った。
だが見知らぬ男は何も答えず、
「おいっ!行くぞ!」
そういうと私の腕を掴み走り出した。
「おいっ!てめー待てよ!!」
男たちは必死に追ってくる。
「まだ追ってくんのかよ!」
見知らぬ男はそう言うとビルの間の路地裏へと走った。
「ちょっ、ちょっと!あんた誰なの!?」
私は腕を引っ張られながらその男に問いかけた。
「んっ!?俺?俺はね...通りすがりのヒーローです!」
ヒーローと名乗る男は、ようやく私の腕から手を離し止まった。
「は!?ヒーロー!?何言ってんの?別に助けてなんて言ってないじゃん!」
私は呆れた顔でそう言った。
「男三人にホテルに連れ込まれそうになってたんだぞ。助けて当然だろ!」
男はそう言ってきた。
「連れ込まれるじゃなくて自分から行く気だったの。」
私は少しイライラしながらその男を睨んだ。
「そういうのやめろよ...。」
男はまっすぐに私の目を見てきた。
「は?」