少し寒い3月の夜。お金も無い帰る場所も無い私。夜になると一段とにぎわうホテル街。
私は一人で歩き続ける。行くあてもないのにただ私は歩き続けた。
「おっ!君かわいいね~。高校生?」
いきなり肩に触れられ、後ろを振り向くと見るからにチャラい男が三人立っていた。
「君一人だよね?これから俺たちと遊ばない?」
そう言われ私は腕を摑まれた。
めんどくさいのにひかかったと思ったが、どうせ行く場所はないからちょうどいいと思った。
「別にいいよ。ご飯代と寝るとこ提供してくれるならだけど?」
私は都合のいい男の前でしか見せない笑顔でそう言った。
「おっ!のりいいね~。じゃあどこいこっか~?」
そう言いながら一人の金髪の男が肩に腕を組んできた。
行く場所?ホテルしかないんでしょ。どうせヤることしか考えてないくせに。
「じゃあ、ホテルいこっか?」
ニヤニヤしながら男はそう言った。
その時、私の隣にいた男の腕を誰かが強く掴んだ。
「こんな真夜中に高校生連れ込もうとしてんじゃねーよ!」
突然横で見知らぬ男の声が聞こえた。
「な、何なんだてめーは!?」