家に帰ると玄関には家族全員の靴があった。
家族全員が家にいるなんて珍しい。
少し驚きながらリビングに入ると家族全員そろっていた。
「ただいま。」
私はそう言うと冷蔵庫へ向かい麦茶を取り出した。
家族の沈黙が続く静かなリビングの中コップに麦茶を注ぐ音だけが響く。
「幸話があるの。」
静かな部屋の中母がそう口にした。
母達の顔を見れば嫌でもいいニュースじゃないことはわかった。
そんな予感の中母は口を開いた。
「お母さん達色々話あって離婚することにしたの。」
突然の母の言葉。
だけど私は驚かなかった。
「そうなんだ。」
私はそう言った。
はっきり言ってどうでも良かった。勝手に離婚したきゃすればいい。
私には関係のない話だ、家族がばらばらになったってどうだっていい。
昔から両親は共働きで家に残された私と弟は好き勝手やっていた。
弟の海は小学生の頃からほとんど家には帰ってこず、中学生の今でも家にいることはまったくない。