ザー……と音を立てて降り続ける雨音とあたしたちの足音が響く。




横をちらり盗み見れば、遥登君はニコニコ楽しそうに笑っていて。






「遥登君……楽しそうですね」



「当たり前だよ!だって蒼空と一緒だし」



平然と言ってのける遥登君と違ってあたしの頬はみるみる赤く染まっていく。







「か、からかわないで下さいっ……」




両手で真っ赤になった頬を包み隠しながら、遥登君から目を逸らす。



「何で?からかってなんかないんだけどな。……ていうか蒼空」




「え―――」








傘がぐらり傾いたと思ったら、遥登君の綺麗な顔が近付いて。



「顔、林檎みたいに真っ赤なんだけど……熱とかあったりしないよね?」



―――こつん。







あたしのおでこと遥登君のおでこが触れる。熱を測ってくれてると分かっても、この近さはちょっとまずい……!



「っ遥登君……!だだだ、大丈夫ですから!」