震える手でドアをノックしてから、



「失礼しまぁす…」



緊張しながらそっと開けると…




「遅いっ!」



″ビシッと″、ってこういうことなんだ…。





冷静にそんなことを考えている頭とは裏腹に、私の体は動きを止めた…。





「立ってないで、こちらにお掛けになって。」




という優しい声にハッと我に返り、その声の主を見ると…



隣の席を促している…。





「さ、早く。」



ニッコリと微笑まれたので、私は恐る恐るも、席に着くことにした。