。。

「では、明日。
  新入生たちに
  示しのつくような
  立派な式にしましょう。」

もうなんでもいいから
はよぅ終わりにして。

みんなの気をつけが
完全に揃うまでは
開放してもらえない。

「…よし、解散!」

「失礼します」

間々田先生が動いた途端
生徒たちはおのおのの
友人たちと教室へ戻る。

席につく。
2年の最後の席は
真ん中一番うしろ。

3つ前に、雅志。
わたしはその背中を
ずっと見つめていた。

席が前後の時もあった。
何度となく、後ろから
抱きつきたい
衝動に駆られたっけ。

この前から逆に
恥ずかしくてなかなか
話せないでいるけれど

あいつがさりげなく
わたしを見ているのは
知っている。

目が合う回数が
増えたから。

その度、照れくさくて
はにかみながら
お互い目を逸らす。

なんかそれが
くすぐったくて。
いじらしくて。