「いや、知らないよ。ただ思っただけ」
あんな風に仲良くしてる姿なんて。
あたしだって知るはずない。
あたしは、胸に違和感を覚えながらその場を離れた。
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唯華と一緒に大樹くんが来るのを待っていると、少ししてから楠木先輩が歩いてきた。
歩いてくるなり、こんなことを言った。
「あれ?樹里ちゃんも?」
「えっと、大樹くんは……?」
大樹くんの姿がない。
「大樹はもう帰ったよ?」
もう帰った!?
「え!?嘘っ!」
「本当。あ、大樹呼ぼうか?」
「呼んであげて!樹里が1人で帰ったら危ないから!!」