………ッ!!


いつもと変わらぬ『女』みたいな笑顔をして、

何も無かったように会釈した松波。


そんな松波の身体の脇から、

得体の知れない白い物体がチラリと見える。



………アレは―――――………。



俺は目の前の光景から逃げるように、

平静を装って部屋を後にした。



―――――ガチャッ。


自室のドアを勢いよく閉めた俺の手は、

何故か、小刻みに震えている。


凄まじく暴れ出す鼓動と

尋常で無いほどの汗が吹き出し、

極めつけは、錯乱する俺の脳内。


ヤバい、真面に頭が働かない。


俺は倒れ込むようにベッドへと。



暴れ狂う心臓を落ち着かせる為、深呼吸。

静寂な寝室に俺の鼓動音だけが響いている。



手の甲を額に当て、そっと瞳を閉じた。


すると、

瞼に焼き付いた光景が甦る。



アレはやはり………そうなのだろうか?


突然の事に納得のいかない俺がいる。