『……それと、生理用品も』


―――――はっ?

今、アイツ……何て言った?

せせせせ、せっ、生理用品って言ったか?

いやいやいやいや……まさかな。

俺の聞き間違いに違いない。

……そうだ、そうだ、聞き間違いだ。





―――――――いや、

そんなワケねぇよな?

ちゃんとこの耳で聴こえたんだ!!

俺の聞き間違いのハズが無い!!

アイツは確かに『生理用品』と口にした。



―――――――カチャッ


「へ?」


気が付くと、俺は無意識にドアを開けていた。


ベッド上で仰向けに寝転んでいる松波。

携帯電話を握りしめ、

部屋の入り口にいる俺を凝視している。


俺もまた、

何て声を掛けていいのか分からず、

松波をじっと見据えていた。



暫しの沈黙。

静まり返る部屋に、

松波の携帯から『女』らしき声が漏れてくる。


自然と絡み合う視線は

怪しい香りを漂わせた駆引きのようだ。



俺は瞬きもせず、

松波の様子を注視していた。


すると、