『えぇぇ~っ?!さ、3万ッ?!』
今度はドア越しに発狂した声が漏れて来た。
………何が、3万なんだ?
アイツが驚くそのモノが気になり、
俺は無意識にドアに耳を当てていた。
暫く、耳を澄ませていると
ドア越しにくぐもった声が漏れてくる。
一体、何の話をしてんだ?!……アイツ。
『女』相手に良くもまぁ
アレコレ話が続くものだな。
俺は何だかんだと感心しながら
更に耳を澄ませて聞き入っていた。
すると―――――、
『……スポーツブラとフィットネスブラみたいなノンワイヤーのブラが……』
――――はっ?!!
ブブブブ、ブッ、ブッ……ブラ?!!
アイツは何を言ってんだ?!
肝心なブラが何なのか、その先が聴こえなかった。
………気になる。
アイツがサラリと『ブラ』の話を女としてる。
どう考えても、違和感あり過ぎ。
あっ、もしかして……。
アイツはその女とそういう関係なのか?
週末に会う約束をして、その女に……。
大人しそうな顔して、所詮、アイツも男か。
俺はフッと鼻で笑った
次の瞬間――――――、