『ちょっとー!!希和、電話切るよ?!』
「あっ、ごめん朱夏。じゃあ、土曜日の10時ね?」
私はそれだけ言って電話を切った。
とても電話出来る状態では無い。
彼の表情がますます強張ってゆく。
静まり返る室内に緊迫した空気が漂いは始め、
固唾を呑んで彼の様子を見守っていると、
彼の視線は私からベッドへと移動して行く。
無意識に彼の視線の先を追うと、
!!!!!!!
そこには、先程解いた『さらし』が。
「こ、こ、これは、トレーニングで使うモノです」
私は慌ててそれを後ろ手に隠した。
彼の視線から消えるように。
けれど、返って動揺した事に
ドジを踏んだと後悔する。
あああああぁぁぁ~~~
もう~~どうしよう~~~
表情に出すまいと必死に笑顔を作り、
彼の反応を窺いながら……。
「何か、ご用でしょうか?」
死に物狂いで出した言葉。
彼が何を言うのか、怖くてならない。
神様、どうか私をお助け下さい。
心の中で懇願する。