「だって、希和を『男』と認識しててキスする?……普通」

「………だよねぇ~」


朱夏の口から聞いて、改めて思う。

やっぱり、偽装の恋人とは言え

好きでもない人とキスを……。

しかも『男』と認識した上で、

それも、平然とクールな顔で出来るなんて。


例え、本当に男同士だったとしても

好きな人意外とはしちゃダメだと思うんだよね。

『男』だからと偏見を持って無くとも、

誰とでもキスする事が理解出来ない。


「希和」

「ん?」

「彼のキス、どうだった?」

「どうって?」

「上手いの?」

「ちょっ////////」

「だって、舌…入られたんでしょ?」

「ッ////////」


そんな破廉恥な事、聞かないでよ。

思い出して顔が火照っちゃうじゃない。

だって……だって………。


「クラクラした?痺れた?腰が砕けた?」

「なっ、もう!!朱夏、怒るよ?!」

「ごめんごめん。けど、希和のファーストキスだったんだもんねぇ?」


朱夏はワザと煽るような事を。