京夜様から許可を頂いた今、
初めて第三者に打ち明ける、自分の状況。
これまでの経緯と現在の状況。
そして、朱夏にお願いするパーティーの件。
1つ1つ説明の度に、
朱夏は発狂にも似た声を上げ、
電話越しでも分かるほどの興奮状態。
………無理もない。
私だって未だに
『夢じゃないかな?』と思うほどなのだから。
「それで?その彼には女だってバレてないの?」
「うん、今のところ」
「仕事とはいえ、大変だったね」
「……うん」
「でも、聞けば聞くほどその彼、頭イカれてんじゃないの?」
「やっぱり、おかしいよね?」
「うん」
朱夏も、女撃退法・キス作戦はおかしいと言う。
私だってそう思ってるよ。
けれど、彼のあの恐ろしいほどの目を見たら
言いたい事すら忘れて言えない。
「普段は真面な人なんだよねぇ」
「ちょっと希和、そんな悠長な事言ってる場合じゃないよ?」
「……うん」