曖昧な答えしか出来ないあたしに、和田くんは話し出した。 「たまたま、買い物してたら近くでミユちゃんが倒れたんだ」 「それで、事務室に連れて行ってる時に“ルイ”ってずっと言ってたからさ」 和田くんは、話し終わって少し気まずそう。 どこか悲しそうでもある表情に、胸がざわつく。 「そうなんだ。ありがとう」 「うん…」 でも、あたしちゃんと答えてないよね。答えてあげないと。 和田くんなら…大丈夫だと思うし。