学校が終わって門まで走ると、バイクに跨がった千広くんがいた。
勢いよく飛んでくるヘルメット。
わたしはそれをキャッチする。
「暴走族、」
「…あ?」
千広くんはたちの悪い暴走族にしか見えなかった。
笑ってたらかっこいいのに。
「早く乗れ。」
千広くんが急かすからわたしはドスンとバイクの後ろに乗る。
「俺様の愛車だぞ!?」
ふん、と顔をそらすわたし。
何が“俺様”よ、。
わたしは千広くんの骨が折れそうなくらいの力で千広くんの腰につかまる。
「いって!」
「細過ぎるからいけないんでしょ。」
「俺はお前と違ってデブじゃねんだよ!」
「…な、デブじゃないもん!」
反論すると千広くんはわざとらしくエンジン音を響かせる。
もう!
千広くんのバカ!