………ガラガラッ、




病室のドアが開いた。




そこにいたのは、




「…梨子さん?」



梨子さんだった。


お母さんは見かねて病室を出て行った。





梨子さんはお花をわたしに渡すと、起き上がったわたしの頬を叩いた。



パシン、と乾いた音が病室に響く。




「優一に二度と会わないで。」



梨子さんは顔は怒っているのに、涙を流していた。   




わけがわからなかった。



どうして?

どうして二度と会っちゃいけないの?




梨子さんは答えをくれないまま、病室を出て行った。