わたしは急いで顔を洗って、メイクして、着替えて…
それでも30分はかかっちゃったけど…
長いパーマのかかった髪は軽く整えて、と。
わたしはドアを開けた。
優ちゃんの背中が見えて、わたしはなんだかホッとする。
「優ちゃん、ごめんね?」
後ろから優ちゃんに声をかける。
振り返った優ちゃんは優しく微笑んで、静かにわたしの髪に触れた。
「可愛いね?」
「…へっ!?」
「行こうか?」
さきに歩き出した優ちゃん。
……今の、な、に?
“可愛いね?”
優ちゃんはずるい。
そうやってまたわたしの気持ちを持ってく。
わたしは急いで優ちゃんの背中を追いかけた。