小さな音楽教室から、小さな男の子がわたしに向かって走ってくる。 案の定、その子はわたしにぶつかり、わたしはぎゅっとその男の子を支えた。 その時、ポケットに入れていた楽譜が地面に落ちた。 男の子はそれを拾い上げる。 「…ごめんなさい」 ぶつかった事を謝る男の子が可愛くてわたしは優しく微笑んだに違いない。 「これがくふ?」 男の子が拾い上げたのは優ちゃんがわたしに作った曲だ。