「…比菜、」 「…ん?」 千広くんはポケットから何か取り出した。 古くなった紙? 「優一から。」 受け取った紙を広げてみる。 「…楽譜、?」 千広くんは頷いた。 「…優一が比菜の為に作った曲。」 柔らかい鉛筆で複雑な音符が書いてある。 ピアノを弾けないわたしにはさっぱり読めない。