「…思い出にしなきゃいけないって思うよ。」




それがどんなに辛いことか千広くんにはわかるだろうね。



千広くんは何も言わずに微笑んだ。



「…そんなの無理だろう?」



「…千広くん?」



「俺だって無理だ。だってな、思い出にするってイコール忘れるってことだろ?んなもん、俺にだって無理だ。」




千広くんがわたしの頭を撫でる。



じんわりと千広くんの顔が歪んだ。




「…優一を好きなままでいろよ。」