「おばさんはわたしを見ると辛いでしょう?」
優ちゃんのお母さんは今にも涙をこぼしてしまいそうだ。
「今の比菜ちゃんを見てると辛いわ。優一だって悲しむ。」
「…わたしを恨まないの?」
左右に首をふる優ちゃんのお母さん。
「優一は、きっと後悔してない。好きな人を守ったのよ。おばさんはね?優一のためにも比菜ちゃんに幸せになってもらいたいの。」
ぐっと堪えていた涙が頬を伝う。
涙は温かい。
「比菜ちゃんは若いし、可愛いわ。もう優一のことは引きずらないで?」
「…でも、!」
「もう優一はいないの。」
ズキン、と心臓が痛い。
「あなたを責める人がいたらおばさんに言いなさい。わたしは優一が守った人を大切にする義務があるの。」
「…おばさん、わたし……」