「わたしが彼氏にフられた日に優ちゃんに会ったの。」



「随分と都合のいい夢だな。あの日、お前、俺呼び出して泣きわめいただろ?」




そう、本当はそう。



あの日、わたしは千広くんを呼び出して泣いた。



優ちゃんを忘れたかったのに、結局優ちゃんを忘れられなくて。




「…わたしね、」



「…ああ、」




「ピアノを弾けなくなった優ちゃんに再会して、それからいろんなことがあって」



「うん」




夢をひとつひとつ思い出していく。



「優ちゃんに告白されたの。」