「…謝るわ。」



「え、」


「…優一に釘をさされたのよ。あなたを傷つけないでくれって。傷つけたら許さないって。」



梨子さんは笑った。



「あんなに怖い優一は初めてだったわ。」



胸が熱くなる。



優ちゃん…



「あなたがどうするかはわからないわ。でも、全部あなたのため。優一の全ては。だから優一を救えるのもあなただけ。」



梨子さんはそう言うとバッグを肩にかけた。



「…梨子さん」



少し面倒くさそうにわたしを見下ろす梨子さん。



「…なによ。」