『あなたが優一にしたことがわかるからよ。』
全部、全部わかった。
「…優一は留学しなかった。ずっとアメリカの病院で治る術を探してた。でも、無理だったんだ。損傷が激しくて、それでも優一は諦めないでリハビリを続けた。」
“すごく退屈だったよ。”
わたしは………最低だ。
優ちゃんはどんな気持ちでわたしといたんだろう?
どんな気持ちで…………
「優一、右手に力をいれると麻痺したみたいになるんだ。さっきみたいに。」
わたしは優ちゃんがフォークを落とした時の事を思い出した。
優ちゃんは笑ってた。
目は笑っていないのに。
今、考えたら全てつじつまが合う事。
梨子さんがわたしのせいだと言った事も。
優ちゃんが留学先を退屈だと言った事も。
優ちゃんが醒めた目をしたことも。