「休んでた分、メッチャ進んでるやん!現代文とか、英語とかならまだしも、数学はやり方サッパリわからへん!」



「あぁ、そっか。そうだよね。」




欄の箸から落ちたウインナーを摘まみ直して、口に運ぶ。




「笑美・・・」



「何?いただきます。」




うちも自分のお弁当のトマトに箸を伸ばす。



「お見舞い、行けなくてごめん・・・。」



「あてっ」




と、トマトの声が聞こえたような気がした。



見事に、うちの箸が滑って、トマトを逃がした。




「え?あ、そうや。お見舞い。」



「そう。本当は行きたかったんだけど・・・これこそ事件が。」




「事件?」