それから輝樹は、今朝の出来事を淡々と話してくれた。
朝は、あの看護師の佐藤さんと、折り紙の話をしてたらしい。
事の発端は、輝樹自身らしく、前から折り紙をしたいとお願いしてたらしい。
初おりがみが、この上なく楽しかったんやって。
そうやって話す輝樹の顔もまた、楽しそうで。
それからもいろいろと話してくれた。
全部、この病院での出来事やけど、全部が輝樹にとってもうちにとっても、楽しいと思える出来事ばっかりやった。
「ねぇ?」
「なんや?」
「お姉ちゃんは、いつ退院しちゃうの?」
そのれは楽しく会話をしている途中のこと。
少しだけ顔を曇らせながら聞く輝樹に、とっさに何て言ってええのかわからんくなった。
今までの会話と全く違う空気になってもうた。