「パパは戸惑うママに、最後に言ってくれたから。だから、あなたを笑美として、鈴木笑美として我が家の娘にしたのよ?」
「・・・なんて言うたん?」
「“俺は山本恵美以上に、お前と鈴木笑美を愛したる”」
「っ・・・うぅっ・・・」
「“笑美、って名前をたくさん呼んだるねん”って、ね?」
「・・・っあぁぁんっ・・ぁぅっ・・・っ」
とめどなく涙があふれる。
パパの笑顔が頭に浮かぶ。
そんなパパが、うちの名前を優しく呼んでくれる。
『笑美っ』
『笑美は可愛いなぁ』
『パパに似たんかな、笑美は』
ママの手がうちを抱きしめて背中を優しくさすってくれる。