そんなママの顔は・・・メッチャ優しい顔やった。



「許すも何も、ママはパパに愛されてる自信があるから。」



「でもっ」




「正直驚いたわよ?」



「・・・・・・」





「初めてできた娘に、昔愛してた、しかももうこの世界にはいない人の名前を付けたいって言われた時は。」



「でも」とママはさらに笑いながら続けた。





「パパね?“山本笑美は、もういてへん。ただ、俺の心の中で生きてる。でも、一つだけ笑美の夢を少しだけでも叶えてやりたい”って言ったの。」



「・・・笑美さんの、夢?」





ママはうちの手にある笑美さんの手紙を取って、ある文字を指さす。



それは、最後に書かれてるところ。





笑美さんの名前、の少し前。




「・・・恵の妻?」