「笑美、お帰り・・・どうかしたの?」
玄関で膝をついて泣く娘をみて、ママは優しく背中をさすってくれた。
どうかしたの、ていう言葉以上には無理やり聞いてはくれへん。
うちが落ち着くまで、ママは傍におってくれた。
ガチャッ―――
「ただい、お?」
「あら、お帰りなさい。」
しばらく経って、パパも帰って来て、とりあえずリビングに行くことに。
うちは食卓に着いて、パパがスーツから家着に着替えて、ママはイソイソとパパの脱いだスーツをハンガーにかけてる。
「笑美、どないしたん?」
「・・・・・・」
プシュッとビールのタブを開けて、ゴクッと一口飲む音が聞こえた。
「言いたないなら聞かへんぞ~っ」