冬真が言ったその言葉が、何回もうちのなかで響いてやまへん。
そんななか、相変わらずの表情のまま、冬真が次に口にした言葉は「ごめん」やった・・・。
「え、な、なんで?」
「言うつもりはなかったんだ、もともと。」
「・・・何で言うてくれたん?」
「・・・それでもやっぱり、毎日毎日笑美を見ると好きの気持ちが溢れてきた。」
二人の間を、静かに風が通りすぎていく。
ここはまだ校庭。
あと少しで校門を出れたのに、今は全く足が動かへん。
さっきまであんなに必死に走ってたくせに。
れーくんに会いたいと思ってたのに。
まるで自分の体が石になったみたく、一歩も動けへんかった。