「冬真、うちはれーくんに会って、写真のお礼とか言いたいだけやねん。」
「それなら明日でも、明後日でも、次に会えたときでいいだろ。」
「せやけど、わざわざうちの靴箱に入れててくれたんやし、今言いたいんやもん。」
「笑美がそういうことするから、れーくんも勘違いするんだよ。」
「・・・勘違い?」
冬真がうちに少しずつ近づきながら、言葉をつむいでいく。
でも、うちはその言葉の意味を理解するのに、かなり時間がかかった。
「れーくんは、笑美のせいで最近楽しそうだよ。」
「・・・そうなん。」
「でも僕は、いや、俺は楽しくない。」
「冬真?」
「れーくんは何でもできて、かっこよくて。いつも俺より上。でも、れーくんだって鈍感。」
こんなことなら、早くれーくんに会いに行けばよかった。