そろそろと、二人のいる席に向かう。
「笑美、なんでそんなにスローリーなの?」
「図書館やし、恥ずかしいから。」
「恥ずかしい?」
「お前が手なんか振ったりするからだろ。」
相変わらず、教科書に視線を置いたままのれーくんがボソリと呟いた。
「だって、笑美が見えてテンションあがっちゃってさ。笑美、れーくんがやっぱり厳しくてさー。」
「みたらわかる。」
「勉強なんてもうヤダー。」
机に流れるようにつっぷする冬真をみて、思わず吹き出しそうになった。
「グフッ・・・」
「「え?」」
うちが吹くよりも前に、先に吹いた人がいたから笑われへんかった。