暑苦しい欄を体から離し「席座ろ!」と促した。
クラスの周りの視線が痛い。
欄がこんな風に抱きついてくることって、公の場ではなかったことやから、みんな驚いてたんやと思う。
「欄、なんでこんな早く来てたん?」
「拓也にお菓子作ったからあげようと思って。」
なんと、ラブラブな話しでしたか。
少し呆れたフリで額に手を当てて「眩しい」と言うと「ごめん」と苦笑いを返された。
「ごめんで済んだら、なんとやらや。」
「あはははは・・・」
と、そこで先生が入って来て、ショートホームのスタート。
それからの時間はまた流れるように過ぎていった。
もちろん、うちは睡魔に負けて夢の中で時を過ごした訳やけど。
ただ、お弁当の時間と、数学、現国の時間だけは起きてた。