やっぱり、言うたらあかんかったんかな!?
ど、どないしよ!?と内心ビクビクしながら、とりあえず返事を待った。
このまま行ってもうたら、またそれはそれで怒られそうやし。
れーくんが履きかけの上履きを履き、スニーカーをしまう。
「・・・はよ。」
そして、視線は再び本・・・って、それ現国の教科書ですけど!?
「あ、お、おはよう。」
そっとあいさつをすると、何を言うでもなく、れーくんは自分のクラスの方へ歩いて行った。
「・・・珍しい。」
「え?」
「れーくん、滅多にあいさつなんかしないよ?」
「え、そうなん?」
冬真が物珍しそうに、れーくんの背中をジッと見ていた。