「んー……うぜぇ………」
朝起きて、ランプの点滅する携帯を鬱陶しく思いながら遊香はメールを開く。
「………休み?」
メールは今日の学校は体調不良(恐らく嘘だろう)で欠席するという内容だった。しかし遊香はなんとなく違和感を憶え、メールの返信をせずに電話帳から『高浜菜々子』を選ぶ。
三回目の呼び出しコール音で、ガチャガチャと雑音が鳴った後よく透る声が出た。
『はぁいー?』
「はぁいじゃねぇよボケ」
暢気な菜々子の声に遊香は更に機嫌を悪くしていく。
『何そんな怒ってるの?』
「元気そうじゃねぇか」
『うん、元気!』
「黙れドアホ!」
『なによバカ!』
「あぁ?!」
それから小一時間、やりとりをして遊香は学校へと向かった。
「遅刻寸前じゃねぇかばーか」