「お母さん、ペロが粗相したの?」
理香さんが太ったおばさんに詰め寄ります。
おばさんはどうやら、リカさんのお母さんであるらしい。
「そうなのよ!理香、あなた靴下貸してあげなさいよ!」
「あー、いいです、本当に大丈夫ですから!」
「……でも、くさいよ」
リカさんはボクの足を見て、鼻を曲げました。
うん、確かに。
ってかあんたんとこのわんこ、ってかお母上のせいでしょうが!!
「斉藤さん、上がっていきなよ。
お母さん、この子美術部の友達だから」
理香さんの意外な言葉に、怒りがどこかへすっとんでいきました。
そして次の瞬間には、泣きそうになっていました。