おばさんは太っています。


身体が大きいと、声がよく反響してしまうのです。



「……っ!!」



ほら……


見つかってしまったではないですか……


腐女子はボクの方を見て、固まっていました。


男子は帰ったのか、いつの間にか姿を消していました。



「や、やは。

見ておくれ、あはは。

とんだ災難だったな……」



ボクは何も見なかったふりをして、その場を立ち去ろうとしました。


しかし、おばさんががっとボクの腕をつかみます。



「あなた、理香のお友達?」


「えっ?」



理香?一瞬わかりませんでしたが、それは腐女子の名前だと、すぐに気づきました。


ボクは返事に迷います。


ボクたちは今とても、微妙な関係なのです。