それからトモミはミツオとのいきさつを話し出した…。

「私,研修会の夜にミツオ君と出会って,そのあとすぐにミツオ君から連絡先を聞かれて教えていたの…。そしたらすぐ次の日に電話がかかってきて,[好きになったから付き合ってくれ]って告白されたの。私,今まで誰とも付き合ったことがなくて,ミツオ君から突然そんな風に言われた時,正直うれしくて…。」

「でも,ミツオはサヤカちゃんと付き合ってるんじゃ??」

「電話で告白された時はうれしかったけど,すぐに返事はしなかったの…。で,あとでサヤカの気持ちとミツオ君との交際を知り,私の中では二人を応援してたの…。だけど…。」

トモミはそこまで話した後,涙を浮かべながら話を続けた。

「結局二人は一ヶ月程付き合った後に別れたの…。サヤカは別れたくなかったみたいだけど,ミツオ君から別れを切り出されて…。

そしたら,その後…。またミツオ君から連絡があって…。[やっぱり忘れられないから付き合って欲しい]と言われて…。本当は私,最初の告白からずっとミツオ君の事が好きだったの…。」

「そうなんだ……。」

「だから,蒼井君にはちゃんと話しておかなくちゃと思って…。」

「オレなら大丈夫だよ!話してくれてありがとう!」


オレは動揺を殺しながら,思ってもない言葉を送った。

「よかったね!トモミちゃん。きっと二人はお似合いだよ!お幸せにね!

ケーキは二人で食べてね!じゃあ!」

オレはこの場から逃げ出したくなり,慌ててバイクに飛び乗り,そしてトモミの前から離れていった……。