「ねえ、武藤さんはさ、好きな人いない

の?」

帝人君はいきなりこんなことを聞いてき

た。

「好きな...人?」

帝人君は残酷だなぁ...

それはね、君だよ。

わたしはあなたが好き。誰よりも大好き。

「私の好きなひとは...優しくて、頭が良

くて、中身もちゃんとみてくれる人」

「へぇ~、なんか武藤さんが好きな人に

妬いちゃうなー」

「どうして?」

「だってこんな美人な子に好かれるし、



「それに」と言うと、帝人は頬杖をつい

て優しい笑みで笑った。

「武藤さんが好きになる人だから相当い

いやつなんだろうなって思うからさ」