それから私たちは二人で並んで帰った。
それは数十分の短い時間だったけれど、
私にとっては一生のような長さだった。
「どうぞ」
「あ、うん。お邪魔します」
私は部屋に入ると鞄を一旦リビングにあ
るソファーに置いてキッチンへと向かっ
た。
そして、二人分のコーヒーを持って帝人
のもとへと持っていった。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「武藤さんの家、やっぱりきれいだね」
「そおかな?」
「将来、いい奥さんになりそうだな~
旦那さんは幸せだろうね」
ハハハっと笑いながら帝人は言う。
そんな他愛ない会話が嬉しくて、永遠に
続けばいいのになんて思ってしまう。
「...昔のアルバムあるんだけど見る?」
「いいの!?ありがとう、見せてもらっ
てもいい?」
「うん、今持ってくるね」
そう言って私は二階に上がり、自分の部
屋からアルバムを取りに向かう。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
ペラ...ペラ...
彼が一ページずつ捲っていく度に気持ち
は沈んでいく。
「武藤さんって、昔から仲良いんだね」
「うんそうなの、幼稚園の頃からずっと
一緒なの」