「お姉ちゃん…。私トイレ行ってくるね!」

そう言って沙知は引きつった笑顔を見せ病室から出て行った。


「ただいま!」


数分後…亜華李の病室に戻って来た沙知の目は真っ赤になり、腫れ上がっていた……。


それでも、精一杯笑って見せる沙知に心が痛んだ。


まだ中学生の沙知には耐えきれない事だと思う。


沙知は心から私を必要としてくれてる。

私にとっても沙知は、かけがえのない大切な存在だ。
でも……

沙知、ごめんね…。


沙知の事も大切なんだよ?

でも側にいてほしいのは…私が必要としているのは………







郁兄…………






















ただ



一人だけなんだよ………。