怒ってくれたら……憎んでくれたら…私を連れていってくれればいいのに………。

でもやっぱり死んでも郁兄は郁兄なんだね。

絶対に私の事を見捨てない。ずっと見守ってくれる。
こんなお兄ちゃん、世界中何処を捜しても郁兄ただ1人だけだよ………。

郁兄はお人よしすぎるんだよ。

「……ばか」

郁兄がいる空に向かって呟いた。

郁兄は死んでからも私なんかの心配してくれちゃってるわけ?
それならどんだけ馬鹿なんだよ……。


普通、自分を死に追いやった義妹の事なんて憎むでしょ?怨むでしょ…?

なのに何で郁兄は私の夢に出て来て涙なんか流すのよ………っ!