｢どちらかを取れなんて無茶だよな｣
ため息がまたはかれる
｢…………新さんの夢を叶えるには、私との別れが絶対なのですか？｣
急に新さんが起き上がる
｢ひよ｣
｢………私が邪魔になるなら｣｢邪魔じゃない｣
｢でも｣
｢俺は社長の座もひよとの結婚も手放す気はない｣
いや、言い張られても
さっきの話しからしたら
それが無理なんじゃないですか？
｢………ひよが邪魔だなんて思わないから｣
｢新さん｣
見つめあう目に吸い込まれそうだった
｢それに、ひよが邪魔な時は俺遠慮なく言ってるから｣
｢え！？｣
｢だってそうだろ？出会ったころ思い出してみろよ｣
思い出して……………
たしかに
婚約者には見れない
だの
対象外だの
言われてますけど
｢な？｣
｢今は………必要ですか？私｣
｢あぁ｣
｢………｣
｢……ひよ、一緒にいてくれ｣
