「俺さぁ」



つぶやくみたいな声だった



「俺さ社長している親父みてきて、憧れてた。
いつか自分もあぁなるんだなって」




「……夢叶ってますね」


「あぁ」




「……私はどんな新さんもカッコよく見えます」





「お前よく言えるな、恥ずかしくないのか?」


「えぇぇ、新さんだってよく言うじゃないですか」



「は?」






まさか無自覚!?



天然のたらしさんだったのか……







「希さんに言われた」


「何をですか?」



希さん……新さんのお見合い相手だった人



「あなたは会社の社長になりたいのか、ひよと結婚がしたいのか」





???





「……ようはだな、今俺らの会社は買収にあうかもしれないんだ。だから俺が何を選択するかもっと考えてみた方がいいって」



それはそうですよ!


ていうか会社がそんな状態だったなんて




「ひよ、これはお前だから言ってるんだ。信用してるからな?」



「うん」




それは大丈夫です!


私口堅いので!!





………あぁ

でも天秤に自分がかかっていると思うと

どうしていいかわからなくなる





新さんをつかむ手に自然と力が入った





私はあなたを離したくないです






でもあなたが放せっていったら






放しちゃうかも