「ねぇ磯部くん」


「ん?」



「アゲハさんとはいつ知り合ったの?」



「村瀬にふられたあと」



!!!!!!!



「あまり驚かないでよ。悪気あって言ってるんじゃないから」


友達に戻った今だから言えるんだ、と磯部くんは小さな声で言っていた




「千代も誰かに振られたあとらしくてさ、なんか大分落ち込んでたんだ」



「…………千代?」


「あ、それはアゲハの本名」




千代、ちよ、ちよう


蝶!!!!!





だからアゲハ!!!!!





って納得している場合じゃない



「……うっかり言ったけど内緒な?本人めちゃくちゃ嫌がってるからさ」




……うーん



アゲハさんを思い出してか



磯部くんがやさしい笑みをこぼす







アゲハさん、磯部くんのこと特別に思ってるのかな?




新さんはきっと




アゲハさんの本名知らないと思う






「なんかプライベートな千代とすげぇ気があうんだ」



「そうなんだ、いいね」


「………ありがと」








やっぱり



磯部くんは特別だ





新さんには失礼だけど


アゲハさん、いい恋見つけられてよかった